◆「肯定の私メッセージ」で感謝の気持ちを伝える。

「対決のわたしメッセージ」で、相手が行動を変えてくれたり、「予防のわたしメッセージ」で、相手が頼みごとを引き受けてくれたときは、「肯定のわたしメッセージ」を使って感謝の気持ちを表しましょう。「肯定のわたしメッセージ」は、次の三部構成で成り立っています。

1.相手の行動内容。
     +
2.自分への影響。
     +
3.自分の気持ち。


具体例. (『大人も知らない「本当の友だち」のつくり方 』より。)

映画に誘ってくれてありがとうちょうど観たかったからすごくうれしい。」

このメッセージは次のような構成になっています。

映画に誘ってくれて相手の行動> ありがとう。<自分の気持ち> ちょうど観たかったから、<自分への影響 すごくうれしい。<自分の気持ち>」

次の事例は親子の対話です。 (『人間関係を育てるものの言い方 』より。)

自分の息子のDは九歳です。私がバレーへ行く夕方、ご飯の支度をするのに、Dは宿題をせずにテレビを見ています。

 「Dちゃん。今日、お母さんはバレーの練習があるんよ。だから早くご飯を食べて片付けてから行きたいんよ。Dちゃんが早く宿題をしてくれると早くご飯を食べられるけ、助かるんだけどなー。<予防のわたしメッセージ>」

 「うん。お母さんは、バレーへ行くのに早くご飯にしたいんじゃろ。わかっとよ。もう宿題今からするけー。」

 「Dちゃんがさっと宿題してくれたら、<行動> お母さんは安心してバレーへ行けるけ、<影響> うれしいよ。<気持ち>」

 「お母さん、バレーへ行く日はうれしそうにしとるねー。」
私 「そうよ、うれしいよ。」

「肯定のあなたメッセージ」は、自分の気持ちを伝えるメッセージなので、「評価」とは異なります。「評価」では12の対応の「賞賛」に該当します。例を見てみましょう。

× 「あら、お皿洗ってくれたの、えらいわね。<評価>」
 「あら、お皿洗ってくれたの、お母さん助かるわ。<自分の気持ち>」

「評価」の背後には上下関係が存在していますが、「肯定のわたしメッセージ」は横の繋がりです。「評価」の効力は、相手があなたからの評価が重要だと思っている間だけしか続きませんが、「肯定のわたしメッセージ」で伝えると、相手は、その行為そのものが重要であると考えるようになります。

次の事例は、嫁と姑(六十五歳)の対話です。(『理由ある反抗―親業(ゴードン・メソッド) いまを解決する話す技術・聞く技術 』より。)

夫の親類に不幸があり、姑と夫が二泊三日で出かけた。それまで家事のほとんどを姑が行っていたため、姑の留守中は結構忙しく働いた。姑が帰宅する。

 「おばあちゃんがいないあいだ、洗濯、掃除、食事の支度と、ほんとうに大変だった。<影響> いつも子ども達や私達のために家事を全部引き受けてくれてるおばあちゃんに行動> 感謝したい気持ちになったわ。本当にありがとう。<気持ち>」

 「・・・・・・。(無言)」

 「子ども達も、よう手伝ってくれたんよ。トシオは重いお米を持つのを手伝ったり、タカシはお風呂を沸かしたりと、<行動> 二人がいてくれて本当に助かったわ。<気持ち>」

 「布団も敷いてくれたの。」

子ども達 「うん、僕達だよ。」

 「どうも、ありがとう。」

<お嫁さんの一言> それまでつかえていた姑への嫌な思いが不思議と薄らいで、姑を入れての家族団らんが初めて楽しく感じました。この日から家族の雰囲気がやわらかくなったように思います。

よくテレビで、熟年離婚をした女の人が、その理由を「夫が感謝の言葉をかけてくれなかったから・・・」と語ることがあります。もしこの夫婦が、「肯定のわたしメッセージ」や「能動的な聞き方」を知っていたら、離婚していなかったのではないかと思います。

それにおそらく、奥さんの方も、「肯定のわたしメッセージ」を送っていなかったのでしょう。

もし奥さんの方から「肯定のわたしメッセージ」で夫へ感謝の気持ちを伝えていたら、「能動的な聞き方」で話しを聞いてあげていたら、「予防のわたしメッセージ」で欲求を伝えていたら、もしかしたら、夫の性格も変化していたかもしれませんね。

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