ひきこもりを生み続ける
日本というシステム

(このページでは当サイトの全体的な内容を簡潔に説明しており、冗長にならないよう詳しい根拠やソースは省略しています。またひきこもりの原因は様々あり、ここに書いていることだけが全てではありません)


■不登校・ひきこもり・ニートの最大の原因はその自己評価の低さにある。

低い自己評価の最大の原因は親の愛情不足と過保護・過干渉にある。愛情とは、『理解・共感・受容』そして『承認』を指す。

自己評価には二種類あり、『愛情に関する自己評価』と『能力に関する自己評価』である。

愛情に関する自己評価は『理解・共感・受容』で育つ。愛情に関する自己評価が低い子どもは、「親にも愛されない自分が親以外の人間から愛されるわけがない」と考えるようになり、対人恐怖症となる。ちょっとした失敗や叱責でも相手から見捨てられるのではないか、という不安を抱くようになる。

能力に関する自己評価は『承認』と『成功体験』によって育つ。『承認』とはほめることや感謝することを指す。能力に関する自己評価が低いと、家族以外の人間から『あなたは必要な人物です』という承認を受けることができない。

だが過保護・過干渉が子どもの成功体験を妨げる。過保護・過干渉は愛情ではない。過干渉で育てられた子どもは、「自分には能が無いから親は自主性を認めてくれないんだ」と感じる。過干渉は『承認』のちょうど逆である。

■ではなぜ親は子どもに過保護・過干渉してしまうのか?

それは親もまた愛情不足の家庭に育ったからである。さらに母親がその夫から『共感』や『承認』を得られない場合、母は子どもから頼りにされることのみによって自己の存在価値を支えようとする。それゆえ子離れができなくなり、無意識に子どもの自立心を摘み取ってしまう。また、『共感』ができない親は、さらにその親から『共感』された経験が乏しい。

■ではどうすれば母の過保護・過干渉を止めることができるのか?

それは夫が妻に全力で『共感』して『承認』を与えることである。愛情の供給先が確保できれば、母は安心して子どもの自立を応援できる。

■ではなぜ、夫は妻に『共感』『承認』を与えないのか?

その原因の1つは、夫が長時間労働と、それに伴うストレスに晒されているからである。仕事に費やす時間が長ければ、自然と家族と会話を交わす機会が減る。会話が無ければ『共感』も生まれない。『共感』を示す精神的な余裕も無い。それは父と子の関係でも同様である。

また働き疲れて帰宅した夫は、妻にも同等の負担を求める。「俺はこんなに疲れているのだからお前が家事をするのは当たり前だ」となり、『承認』を与えなくなる。

その夫自身も自己評価が低く、会社から見捨てられることに過大な不安を抱いており、過剰労働をしてしまう。

■長時間労働が無くならない原因は、日本人が周囲の目を気にし過ぎているために自己犠牲しすぎてしまう事にもあるが、それだけではない。

労働法違反を取り締まる労働基準監督署の権限が弱く、職員も少ない点に大きな問題がある。現行法では労働組合と会社の間に特別の取り決めが無い限り8時間労働が原則であるが、これが守られていない。中には残業代を支払わない会社もある。そうなれば、労働者を可能な限り長時間労働させたほうが経営者は儲かることになる。

■ではなぜ監督署の権限は弱いのか? 

その理由の1つは、国民の間で労働法関連の議論が盛んでないことにある。国民は現状を問題と認識していない。長時間労働により、政治参加に必要な時間と気力が労働者から奪われているためだ。

加えて、これまでの働き方を批判するということは、自分の生き方自体が間違っていたと認めたことになりかねない。人は自己の行動を正当化する“認知的不協和”という心理を持つ。したがって、長時間労働を続ければ続けるほど、“正当化の思考”が働き、長時間労働が美徳であると思い込もうとする。「家族のために頑張っている。国や会社を支えているのは自分だ」と彼らは言う。

■ではなぜ政府は現状を放置するのか?

それは長年、政権与党が大企業から多額の献金を受け取っているためである。だから企業の損失に繋がるような政策は実施できないのだ。逆に、経団連の推進するホワイトカラー・エグゼンプションを導入しようとさえした。他方で、企業献金を拒否している共産党は盛んに労働時間の短縮を訴えている。

■では労働時間を短縮するにはどうすれば良いのか?

あくまでこの問題に限定するならば、労働法の強化、
労働時間の短縮、企業献金の廃止を訴えている政党に投票することである。

■では既にひきこもっている人が社会復帰するためにはどうしたら良いのか?

まずは、精神科へ通院しながら心理カウンセリングを受けると良い。精神科の診療費は初診で2500円前後+薬代である。カウンセラーは臨床心理士の資格を持つ人を選ぶと良い。学生で外へ出られる方ならフリースクールに通う選択肢もある。

精神科医の斎藤環氏も著書『社会的ひきこもり』のなかで、家族、本人ともに治療に継続的に参加し、また家庭でも治療について冷静に話し合いができれば、本人の立ち直りは時間の問題であると書いている。はじめは親だけの通院でも良い。医師の助言に従っていればそのうち本人も通院をはじめる。

それ以外に、家族や本人の努力により『自己評価』に栄養を供給する方法もある。『愛情に関する自己評価』が『理解・共感・受容』により供給されるということは既に書いた。親が『理解・共感・受容』の”やり方”を覚えることで本人に自己評価を供給することができる。

ではどうやって覚えるのか?

「親業訓練講座」というものがある。親業訓練はカウンセリングの技法を一般の親向けに改良したもので、全24時間の講習で習得できるようになっている。その中身は『共感』の仕方、『承認』の仕方、『民主的な対立解消法』である。権力を使わないので、弱者の側が「負けた」と感じることがない。

申し込みは親業訓練協会のサイトからできるが、当サイトでもその技法を公開している。

■一方、『能力に関する自己評価』を高めるには、成功体験を積むのが良い。

ひきこもりのなかには、努力が報われた経験の無い者がいる。成功体験を積むことにより、努力は報われるという経験を無意識下に刻むことができる。なかでも競争に勝つ経験は自己評価を大幅に引き上げる。あの悪名高い戸塚ヨットスクールが実績をあげることができたのも、生徒にヨットの操舵を習得させるという成功体験を積ませたからである。

挑戦する分野はなんでも良いが、例としては、カルチャーセンター、習い事(スポーツ教室、武道、パソコン・ワープロ教室、英会話学校、自動車教習所、料理教室など)、資格試験、通信教育、家事などの手伝い、ボランティア活動、軽いアルバイトなどがある。

小・中・高校生のときにひきこもった者のなかには学歴の低い者もいる。そういう人が仕事を探すときは、ハローワークなどの求人サイトで、フリーワード「学歴不問」で検索すれば学歴を問わない求人のみに絞ることができる。

■いじめはなぜ起こるのか?

第1の原因は、拙い家庭教育により「共感力」が低く、また付和雷同しやすい子どもが育成されているためである。そうした子らは、社会における道徳や法律(市民社会の秩序)とは別に、学校内でのみ通用する自分達だけの規範(群生秩序)を形成する。群生秩序下ではスクールカースト(人気のヒエラルキー)下位層の者を攻撃しても良いことになっている。

群生秩序は会社においても発生し、労働者としての権利を主張する者や定時帰宅をしようとする者が攻撃されることがある。

第2の原因は、親からストレス発散の標的にされて体罰や罵りを受けた子が、自分の心を守るためにより弱い者をターゲットにしてストレスを発散させようとするためである。自己評価が低く自己主張が苦手な子が標的にされやすい。年の若い兄弟姉妹が標的にされることもある。

子供は母親から標的にされ、母親は夫から標的にされ、夫は上司から標的にされ、上司は経営者から標的にされ、経営者は株主から標的にされる。

標的を見つけることができなかった者は、精神を患いひきこもったり自殺したりする。

■どうすればいじめを撲滅できるのか?

群生秩序は市民社会の秩序から隔離された場でのみ発生する。したがって、刑事法に抵触するいじめに対しては警察に通報し加害者を逮捕、補導すべきである。市民社会の秩序が干渉する場では群生秩序は一気に収束する。

同時に、加害者とその親にカウンセリングを受けさせ、加害者の親には親業訓練講座の受講を義務づける。親業の実践によって子どもには「共感力」が身につき、安易に付和雷同しなくなるからである。加害者もまた拙い家庭環境に育ち、親もまたストレスを抱えているのである。

無視などのコミュニケーション系のいじめに対しては、教師による指導を行う。子どもは人間関係のいざこざを解決する方法を知らないためにいじめに走ってしまうことがある。教師は授業で親業の問題解決の手法を生徒に教えて、いじめ以外にもっと良い方法があると諭す。

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