毒親による有害なコントロール

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ダン・ニューハース『不幸にする親 』より

序章 親の有害なコントロールとは

子どもが払う代償
不健康で過剰なコントロールの代償は、いつまでも長く払わされます。コントロールばかりする親を持った人には、うつ、不安、貧しい自己像、アディクション、自己破壊的な行動、ストレスが加わるとすぐ健康をそこねる、などの傾向が増します。さらに、自分を大切にする感覚に欠け、のびのびとした自由を感じることがほとんどなく、生きていることの意味がよくわからず、自分を愛する気持ちがなかなか持てないかもしれません。また、親のネガティブな習慣や考え方を無意識のうちに受け継いでしまうため、人との関係をこじらせたり、優柔不断だったり、精神性や感情面での成長が遅れやすいなどの傾向もあるかもしれません。

それについて、子ども時代に強権的な親にいつも抑えつけられて育った37歳の学校教師は、「私には人間であるために必要な大切な何かが、二、三点欠けているような気がする」と表現しました。

 私たちは、親にどのように扱われて育つたかを振り返ってよく考えないままでいると、人生のパートナーとなるべき異性(配偶者や恋人)との関係で、無意識のうちに、親とのトラブルに満ちた関係と同じパターンをくり返してしまう可能性が高くなります。また、友人や同僚などに親の性格を思い起こさせる人がいれば、ついその人を誤解してしまうこともあるでしょう。親への感情的なわだかまりが残っていると、自分の子どもに対して怒りを吐き出してしまうこともよくあります。そしてむやみに他人をコントロールしたがり、相手や自分に苦痛を与えることが多くなります。

 コントロールばかりする親は、子どもが大きくなってもなお、態度を変えないかもしれません。大人になっても相変わらず親のコントロールに対して無力であることを感じれば、フラストレーションは増すばかりです。そんな親に近づいたり、または距離を置こうとするたびに、子どもは苦しまなくてはなりません。

 なかには、大人になるとともに、親がなぜ自分を異常なやり方でコントロールしようとするのかがわかってくる人もいるでしょう。しかしその理由がわかったところで、いまだに尾を引いている心の傷や、落胆や悲しみや怒りが消えるわけではありません。どうしたらよいのかと考えてみても、途方に暮れるだけかもしれません。

 もしあなたが、自分では変わりたいのにどうしても変われなくて悩んでいるなら、それは親との関係の持ち方や子ども時代の育てられ方に、いまだ解決していない問題があるために出ている症状であることもあります。

 たとえば、仕事がいつも長続きしない、異性とつき合うたびにすぐ相手に飽きてしまう、いくらがんばっても不充分な気がしてゆっくり心を休めることができない、子どもの時からなぜか心のなかにフラストレーションや怒りがたまっている、そのために過食してしまう、などはよくあるケースです。これらの問題は、深く見つめて根源までさかのぼって解決しないかぎり、表面的に問題を刈り取ったところで、数力月もすればまた違う形で噴き出してくるだけです。

  どうして有害なコントロールとわかるのか 

子どもの時から親の過剰なコントロールにさらされて育った人でも、大人になるとそのことをあまりよく覚えていなかったり、ぼんやりとしか認識できないことがよくあります。そのことがわかっている人でも、それが自分にどういう結果をもたらしているかとなると、うまく説明できない人がほとんどです。よほど、はっきりわかる証拠でもないかぎり、たとえ不健康なコントロールをされていても、親が子どもをコントロールするのは普通のことだと思ってしまうからです。46歳になるデザイナーはこう述べています。   

「うまく説明できないのだが、私の母は、私か子どもの頃から強大な存在感とコントロールを振るってきた。母がどのようにしてあれほどまで大きな影響力を及ぼしてきたのか、どうして私は母に押しつけられた価値観を自分のもののように考えてきたのか、あれほどそうされまいとがんばってきたのになぜそうなってしまったのか、私はいまだによくわからない」

 不健康で過剰な親のコントロールはさまざまな形をとります。権力者のように強圧的な親の場合は明らかですが、そうでない場合はなかなかわかりません。しかし形は違っていても、不健康で過剰なコントロールをする親には共通する要素があります。それをひと言でいえば、次のようになる

 「不健康で過剰なコントロールをする親」とは、子どもの成長をはぐくむためではなく、自分(たち)を喜ばせ、自分(たち)を守り、自分(たち)のためになるように行動する親をいう。

 では次に、そういう親の具体例をあげてみましょう。以下の項目にはお互いに重複する部分もあります。

・完全主義者の親
・極度に過保護の親
・独裁的な親
・言動が支離滅裂で、子どもの頭を混乱させる親
・厳格すぎる親
・子どもをあざけったりバカにしたりする親
・権威主義者の親
・子どもの心を操ろうとする親
・粗暴な言葉で子どもをののしる親
・あれこれ細かくかまいすぎて子どもを窒息させる親
・情緒的に疎遠で、子どもに心を開かない親
・尊大で横柄な親
・子どもに絶対に譲歩しない親
・いつも神経がピリピリしていて気が休まらない親
・いつもイライラしていて機嫌が悪い親
・抑圧的な親
・人間的な感情を示さない親
・子どもに対して押しつけがましい親

 不健康で過剰なコントロールの害が起きるのは、欺隔と混乱に満ちた家庭ばかりとはかぎりません。外から見れば理想的に見える家でも、内部は正反対だったりすることがよくあります。特に、本当は問題がたくさんあるのに「うちには問題なんてありません」という顔をしている家では、親の有害なコントロールが行われていることが多いものです。 また、不健康なコントロールという点では、親を喜ばせることばかり子どもに要求する親も、強圧的に命令してばかりいる親と何ら変わるところがありません。

 心が疎遠な親は、温かい心の通い合いを子どもから奪うことで子どもをコントロールします。情緒不安定ですぐ怒りを爆発させる親は、「いつ怒りだすかわからない」という不安を植えつけることで子どもを支配します。同様に、かまいすぎて子どもを窒息させる親も、自分のことで頭がいっぱいで子どものニーズに考えを巡らせることができない親も、みな心が不健康な親です。言葉の暴力や肉体的暴力、性的な行為など、はっきりと虐待といえる行為をする親の場合はいうまでもありません。

  これは’親バッシング’ではない 

この本では、こういった親の問題について探究しますが、その目的はけっして親を非難するためではありません。これは”親バッシング”ではないのです。 子どもの親であるというのは大変なことです。世の中に子育てほど難しくて重要な仕事はないといっても過言ではないでしょう。肉体的、感情的、経済的、心理的、その他すべての面で、子育てとは膨大なエネルギーを必要とする大仕事です。しかも、親になる前にそのためのトレーニングを受けた人などいないのです。子育てで間違いをひとつも犯さなかった親などいませんし、時には大きな間違いをやってしまうのが普通です。 「完全な親」などどこにもいません。しかしそれでも多くの子どもはまあまあ幸せに育ち、取り巻く状況への適応力を身につけ、人生の困難を乗り越えていけるようになるものです。

 ですから私は、けっして子どもになんでも好きなようにさせることを提唱しているのではありません。「適切なコントロール」と「していいことと悪いことを教えること」のふたつは、子育てでは絶対に必要なことです。 けれどもこの本は、「正しいしつけをするにはどうすればよいか」について書かれたものではありません。不健康で過剰な、有害なコントロールで子どもを不幸にする親の問題を解明したものです。どうかこの点を誤解されないようお願いします。


引用おしまい。

続いて毒になる親の具体例などを見ていくことができますが、ここから先は過去に当事者の子供であった人にとっては、読むことにより当時の記憶や感情が蘇り、精神が不安定になることがあります。充分にご注意ください。

 毒親による有害なコントロール
 毒親チェックリスト
 毒親に責任はあるか?
 心が健康な親VSコントロールばかりする親
 親に対する「罪悪感」と「真実」
 過干渉・過保護型の毒親
 愛情を与えない毒親
 完全主義者の毒親
 カルトのような毒親・軍人のような毒親
 言動が支離滅裂な毒親
 ナルシシストの毒親・勝ち負けにこだわる毒親
 虐待・体罰を加える毒親
 責任逃れをする毒親・子どもに依存する毒親
 侮辱的な言葉で自尊心を攻撃する毒親
 性的虐待、体罰、言葉による暴力で脳が萎縮


スーザン・フォワードの著書「毒になる親」の13章には親と対決する方法が載っています。親に直接会うか、手紙を書いて、親が過去にしたことと、それが自分に与えた影響を洗いざらい話し、トラウマを原因となった親に返すのです。

もしあなたが、それをやるつもりであるならば、「毒になる親」と合わせて「論理的思考力とは? 論理的な討論・議論・ディベート・ディスカッション」というサイトを読むことをオススメします。頭のなかを整理するのに役立つはずです。


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